宮城正幸 × 雨晴「Evolution in details」

 

会期:10月8(金)-1017日(日)

※白金台雨晴は会期中も木、金、土、日営業(月~水は定休日)です。

 

場所:白金台 雨晴

 

 

宮城さんのうつわの細部に宿る美しさは日々の作陶の中で進化してきた証。

前に進み、迷いながら、また前に進む。
その繰り返しの中から生まれた魅力的な佇まいを本展でもお愉しみ頂ければ幸いです。

秋深まるこの時季に宮城さんのうつわや花器と共に過ごす穏やかな時間をご提案いたします。

 

 

◇ご来店予約(抽選)につきまして

10月8日(金)、9日(土)、10日(日)は終日ご予約制とさせていただきます。

(ご予約の受付は終了いたしました。ご当選された皆様どうぞよろしくお願いいたします)

 

10月14日(木)以降はフリーでご入店いただけますのでお時間ございましたら是非お立ち寄りください。

 

宮城陶器8周年!

 

8周年を迎えた宮城陶器さん。
ほんとうにほんとうにおめでとうございます🍾🍻🍷🍸🍶

また一緒に乾杯したかったのに
今年もお会いできそうになくてとても残念です。



雨晴での展覧会は今回でな、なんと5回目。

年々ファンの方が増えて、本当に素晴らしいなあと。



作品が届く度に
あれ?ちょっと変わったなと思うことが必ずあるんです。

それはもしかすると気がつかない方もいるくらいの小さなことなのかもしれないですが
その細部に至るまでちょっとずつ進化した部分の積み上げがあるからこそ、
みなさまがご覧になった時に綺麗だなあとか使ってみたいなあと感じていただけているのかなと思います。



本展ではそういった

「Evolution in details=細部まで進化している」

部分にフォーカスしてご紹介できればと思っています。

 

神は細部に宿る

 

撮影用に届いた作品を拝見して、「おーっ!」と心ときめいたのがこちらの灰釉のコンポート。

緑の奥深くに金の結晶が出ているではありませんか。

 

定番として入荷している宮城さんの灰釉ですがこのような輝きをもつ結晶は初めてみました。

まさに神様からの贈り物のようなこの尊い輝きをみなさまにも是非ご覧いただきたいです。

 

コンポートの形状も以前と比べると重厚感がでてとてもかっこよいのです。

食卓の中心を堂々と飾ってくれる存在になるでしょう。

 

削りのうつくしさ

 

このさっくり削った高台の感じ、見ていて心地よいなあと。

宮城さんが楽しそうに削っているお姿を想像するとこちらまで楽しい気持ちになりました。

 

左手前の色味は雨晴では初お披露目の「山吹」

その名の通り「山吹色」を基調としたグラデーションが美しい釉薬です。

 

白の諧調

 

メインビジュアルにもなっている「白釉」は、
白、茶色、ピンク、紫、青といった様々な色が複雑に混ざり合い
魅力的な情景がうつわの中で広がっています。

 

うつわの形状は新作の「リム鉢」。

 

細めのリムと適度な深さのバランスがとってもよくて
お料理が映えること間違いなしです!

 

色気のあるステム

 

こちらのゴブレットを楽しみにされている方も多いのではないでしょうか?

初期のゴブレットを毎日私も使っていますがビールを呑むのに本当に最高なのです。

 

本展で並ぶゴブレットでご注目いただきたいのはステムの美しさ。

よりモダンに、そしてより色気のあるラインにうっとりです。

 

流れた跡

 

宮城さんから、なかなか安定しないと聞いている「黒釉」も今回の展覧会でご覧頂くことができます。 

なんといってもうつわの内側で黒釉と灰釉が混ざることで生まれた複雑な表情が美しいのです。

 

その中でもつい魅かれてしまうのが黒釉の流れた跡。

これがうつわの表情に奥行きを与えてくれることでより魅力的に感じるのだろうなあと。

 

ひとつだけの美しさ

 

毎年どのような作品が届くのか。

個人的に楽しみにしているのが一点ものの花器や酒器。
今年届いたものはより"おおらかさ"が増した作品が多いように感じます。

できれば誰もいないところで、独りでゆっくりと愛でたいのが一点物の作品。

みなさまも一度深呼吸してから作品と向き合って頂けると嬉しいです。

 

 

進化した証

 

展覧会1年目から人気のある青磁釉。

実は2年目にスランプを迎えました。

この美しい結晶を出すのと引き換えに、欠けがでてしまうことがわかり
そのリスクを回避するために結晶があまりない作品が店頭に並びました。

お客様は口には出しませんでしたが、期待していたものとは違ったのか手に取る方が少なく
私たちもとても歯がゆい思いをしたことを覚えています。



そんなことがあった後の3年目の展覧会。
研究を重ねた結果、結晶が見事復活し作品に輝きが戻りました。

お客様が嬉しそうに選んでくださったのがとても印象的でした。



そう、宮城さん、いやあえて ”まあ君” とここでは呼ばせて頂きます。

まあ君はお客様の声にとても敏感でその期待にどう応えるかということを日々考えているからこそ
少しずつ進化した作品を私たちに届けてくださっているのだと思います。



本当はみなさまの声を店頭で直接一番聞きたかったのはまあ君です。

それが今年は叶わずとても残念ではありますが、
みなさまのお声を雨晴で是非お聴かせ頂けば幸いです。

すぐにとはいかないかもしれませんが少しずつ作品が進化する原動力になるに違いありません。

 

 

Photo by Yuka Yanazume