陶器工房壹 壹岐幸二 × 雨晴 「琉球のうつわ」
会期:8月20日(金)- 8月29日(日)
※白金台雨晴は会期中も木、金、土、日営業です。
場所:白金台 雨晴
雨晴では4年ぶりとなる壹岐幸二さんの展覧会を開催いたします。
16世紀から19世紀の琉球の空気を意識しながら、生み出した今のくらしにあう「沖縄のうつわ」。
壹岐さんの作品から琉球の息吹を感じて頂ければ幸いです。
◇作家在廊について
この状況を受けまして壹岐幸二さんの在廊は控えさせて頂きます。
◇来店予約につきまして
8月20日(金)~8月22日(日)の3日間は終日ご予約制とさせていただきます。
ご予約をご希望される方は以下のとおりご対応をお願いいたします。
8月26日(木)以降はご予約無しでどなたもご入店いただけますのでお近くにいらした際は是非お立ち寄りくださいませ。
感染症対策のため入店人数を制限することがございます旨ご了承くださいませ。
◇来店予約受付期間
8月6日(金)18時~8月9日(月)20時まで
※追加募集いたします
8月11日(水)18時~18日(水)までご予約期間を延長いたします。
※8/17(木)追記
定数に達しましたのでご予約の受付を終了いたしました。
沢山の方にご応募いただき誠にありがとうございました。
◇ご予約方法
雨晴/AMAHARE Online Shop にてオンラインチケットを発行いたします。
チケット代は無料です。
各日以下の時間帯にてご予約を承ります。
①13:00-13:30
②14:00-14:30
③15:00-15:30
④16:00-16:30
⑤17:00-17:30
◇お願い
お一人様一枠までとさせて頂きます。
複数枠お申込みいただきますとご予約全てが無効となります旨ご了承ください。
一名様でのご来店をお願いいたします。
ご本人様名義でご予約をお願いいたします。
当日、ご本人確認のできる身分証明書をご提示いただくこともございます旨ご了承ください。
なるべく多くの方にご覧頂けるように数量制限を設けさせて頂くこともございます。
◇オンライン販売について
会期終了後にオンラインショップに掲載予定です。
詳細が決まりましたらSNSやメルマガでお知らせいたします。
皆様のご来店をお待ち申し上げております。
壹岐幸二さん
こちらは雨晴開業時から使用しているメインビジュアル。
目玉のような意匠が印象的なうつわmintamaと青の表情が美しいペルシャのうつわ。
それぞれ壹岐幸二さんが手掛けたものです。
雨晴が開業する半年程前。
壹岐さんに沖縄の古陶をルーツにもつ「湧田焼」の取り扱いをご相談しに読谷の工房に伺いました。
壹岐さん「湧田はかっこいいんだけど地味だからなかなか興味を持って下さる方が少ないんだよね。
ちょうど今、湧田をベースにした新作に取り組んでいるんだよ。あえてペルシャの釉薬をかけてモダンな印象に仕上げたり、黒い釉薬をかけて引き締まった印象の作品を作ることを考えている」
試作段階だった作品を拝見しながら、壹岐さんのお話を伺って雨晴のコンセプトの一文とシンクロしました。
「そのままのかたちを大切に引き継ぐもの。今のくらしに馴染むかたちにかえるもの」。
雨晴 金子「雨晴のメインビジュアルに是非使わせてください!」
壹岐さんにそう無理を言ってお借りした結果産まれたのがこのビジュアル。
5年経っても色褪せない強さを持っていると感じています。
沖縄の刷毛目
骨董のような佇まいの刷毛目のうつわ。
雨晴での展覧会は4年振りとなる壹岐さん。
4年の間に今までの工房スタイルから作家として自分が作りたいものを作るというスタンスに大きく舵を切りました。
そういう意味でも大きな変化に期待してしまう本展。
この刷毛目の碗を見て、ぞくぞくしたのは僕だけではないはずです。
刷毛抜き絵
壹岐さんらしいモダンな表現のうつわ。
お料理も映えそうです!
2021年8月1日に陶器工房壹さんは創業してから25周年を迎えられたそうです。
壹岐さん、章子さんおめでとうございます!!
僕が壹岐さんのところに出入りするようになったのは10年くらい前。
当時は、「宮城陶器」宮城正幸さんもお弟子さんとして壹岐さんのところにいらっしゃいました。
まだまだ駆け出しバイヤーの身の僕を温かく迎えてくださった、壹岐さんご夫妻と宮城さん。
まさに焼物青春時代ど真ん中にお会いした沖縄の皆さんと今も一緒にお仕事できているのは本当に嬉しく、有難いことだなあとしみじみしながらこの文章を書いています。
沖縄の花器やオブジェ
”やちむん”というと色鮮やかな絵付けのうつわを想像される方も多いと思いますが、渡名喜瓶(となきびん)やウニヌティー(鬼の腕)と言われる、どちらかというと渋い印象の酒瓶なども古くから作られていました。
僕は沖縄の古陶をベースに制作されている花器やオブジェを壹岐さんのギャラリーで見るのが大好きです。
壹岐さんはお会いする度に、沖縄のどの時代にどのようなものが作られていたかといった沖縄の陶芸史を教えてくださいました。
沖縄といえば思い出されるのは青い海や青い空。
東京に住む私達からすると憧れの地であることは間違いないですが
壹岐さんのお話を伺って、戦争によって何度も大変な思いをしながらも柔軟に変化し、沖縄の文化を守り続けてきた沖縄の方々の想いを強く意識するようになりました。
沖縄の赤絵
古くから中国と交易のあった琉球王国。
中国から伝来した技術を用いて描かれた沖縄の赤絵は
当時の上流階級のみに使用を許された格の高いうつわでした。
本展では力強い刷毛目が描かれた赤絵の作品が並びます。
沖縄の灰釉
このコラムの冒頭でも触れた「湧田焼」は山茶碗と呼ばれる素朴さと力強さを併せ持つうつわ。
「湧田からは当時の陶工の息遣いが感じられるようだ」とは壹岐さんのお言葉です。
薪をくべ、木灰で作った釉薬をかけて焼成する。
簡素な工程から生まれているからこそ感じることのできる沖縄の焼物の真の美しさ。
それを意識しながら壹岐さんがつくる灰釉のうつわからは
沖縄の陶工への憧れと、間違いの無いものを作りたいという強い意志を感じます。
壹岐さんの沖縄への想い、
それは沖縄が一つの国だった琉球王国への想いでもあります。
作品を通じてみなさまにも沖縄の息吹を感じて頂ければ幸いです。
Photo / Yuichiro Ohmura