吉田直嗣 × KYO AMAHARE
「翳ト其ノ先」

KYO AMAHAREでは初めてとなる「陶芸家」吉田直嗣さんの展覧会を開催いたします。
吉田さんはご自身が目指すものづくりをC点(工藝でもアートでもない処)と表現されています。作品が生み出す翳の先に差す微かな光からはその想いを感じ取れるようです。
花入、茶盌、茶入、水指、うつわの美しいフォルム。
黒、灰、白の中にある心地よいニュアンス。
吉田さんの「翳と其の先」とKYOが交わることで生まれる心地よい空間をどうぞお愉しみください。
みなさまの御来店を心よりお待ち申し上げております。
◇会期
2025年11月7日(金)- 11月18日(火)
※水曜定休
◇作家在廊予定日
11月7日(金)
◇場所
KYO AMAHARE 弐ノ階 @kyo_amahare
〒604-8063
京都府京都市中京区蛸薬師通柳馬場東入油屋町 127番地
TEL : 075-256-3280
E-mail : kyo@amahare.jp
営業時間: 11:00-19:00
◇来店予約
本展はご予約不要となりますのでご都合のよい時間に是非お越しください。
吉田直嗣 × 茶房 居雨
茶会「Kage」
茶房 居雨では11月7日(金)から始まる吉田直嗣さんの展覧会にあわせて茶会「Kage」を開催いたします。
空間のしつらえや茶道具に吉田さんの作品を用いてみなさまをお迎えいたします。
当日は吉田さんにもお席に入っていただく特別な茶会です。
この一日だけの特別な室礼とお品書きをどうぞお愉しみください。
茶会「Kage」@sabo.kyo_amahare
器 吉田直嗣
茶 金光由里香(居雨)
菓 昆布屋孫兵衛
監 万 yorozu 德淵卓
逢 吉田直嗣
日 11月7日(金)
時 15時~17時
場 茶房 居雨/KYO
御会費 7,700円(税込)
御予約 TableCheckにて承ります
Instagram @sabo.kyo_amahare のT
https://www.tablecheck.com/ja/sabo-kyo/reserve/message
御支払 ご予約時にオンライン決済(クレジットカード)にて承ります。
※1日前(ご予約日時の24時間前)からのキャンセルは100%のキャンセル料を頂戴いたします。
この日間だけの特別な室礼とお品書きをどうぞお愉しみください。
Photo / Eri Masuda @massu_90
Text / Kenichi Kaneko(AMAHARE)@amahare_kaneko
軽やかで深い
普段、吉田さんと何気ない会話を交わしていると、吉田さんは軽やかな方だなと思うのです。
独立当初は「黒」の作品から制作をスタート。
今は「白」や「灰色」のものまで手掛ける吉田さん。
うつわにしても花器や茶道具にしても、何かに縛られることもなく、
吉田さんが目指すものづくりを軽やかに愉しんでいらっしゃるようです。
実際は生みの苦しみもあるでしょうし、独立当初は色の縛りを設けるなど色々とご苦労もあったと思うのです。
それでも作品のフォルムからは“軽やかさ”を感じ、テクスチャーや色からは吉田さんが積み重ねてきた表現の“深み”を感じることができます。
吉田さんをそのまま映し出すような作品が並ぶ本展に期待が膨らみます。
茶ノ道具
初めてお会いした時には、既に茶盌を手掛けていた吉田さん。
当時から惚れ惚れするような佇まいで、お茶を嗜む方々からの支持も厚く、
吉田さんの茶盌が誰かの手に届く度に「そうだよね、そうだよね」と心の中で頷きながら見送る日々が続いていました。
何度目かのアトリエ訪問の際、吉田さんが嬉しそうに「炭を燃料とする窯を手に入れたので様々な表情の茶盌づくりを試せるようになったんです」と教えてくださいました。
茶会「Kage」の告知ビジュアルもその炭の窯で焼成したもの。
継いだ景色まで美しいこの茶盌はどなたの手に渡るのでしょうか。
茶盌をはじめ、水指、茶入れといった茶道具が一堂に介すのも本展の愉しみのひとつです。
C点
工藝でもなくアートでもない「C点」を目指すものづくり。
吉田さんからその言葉を伺った時に「はっと」したことがありました。
私たちは「雨跡/AMART」という新しい屋号をつけた活動を3年程前から行っています。
コロナ禍以降、うつわを中心とした工藝を制作されている作家の方々から、こういった声を多く聞くようになりました。
「オブジェを中心とした“愛でる”ことを目的とした作品づくりもしたいけど、うつわを主体とした展覧会ではなかなか目を向けて頂けないんです」
そういった作品を発表できる場となればよいなと思い、始めたのが雨跡/AMARTでした
雨晴が扱う“工藝”と雨跡で扱う“工藝の延長にあるアート”。
そう定義づけようと活動してきましたが吉田さんから「C点」という視点を伺って
「そもそも分ける必要ってあるのかな」とふと立ち止まったのです。
日本らしい“曖昧さ”があり、その“曖昧な領域”を行き来すること自体が日本のものづくりの奥行きを深めているのかなとも思うように。
雨跡の活動自体はこれからも続けていきますが、その存在意義を考えるよいきっかけを吉田さんからいただきました。
この写真に写るのはマグカップ。
稜線を描く薄くて繊細な口元やさざ波のような景色が広がる肌を見ると吉田さんが目指すC点が何なのかが伝わってくるようです。
翳ト其ノ先
手に平に納まる茶入。
その翳の先に差す光。
作品が小さくても大きくても、それがうつわでも茶道具であっても
吉田さんが手掛ける作品やその翳からは同じ気配を感じることができるのです。
築130年の京町家に伸びる、吉田さんの作品の翳ト其ノ先にどうぞご期待ください。
みなさまの御来店を心よりお待ち申し上げております。
