岡さつき×雨晴
「星降る夜に」

さつきさんはワイン好き

 

雨晴での岡さつきさんの展覧会は今回で2回目。
前回の会期も七夕の時季でした。

 

さつきさんが大のワイン好きということもあり
渋谷にある和割烹のお店「酒井商会」さんにお願いして、
「自然派ワインと七夕の会」を開催。

 

美味しいお料理と自然派ワインをさつきさんのうつわで愉しむという贅沢なイベントに
さつきさんファンのお客様が沢山集まってくださり大盛況でした。

 

イベントの後に「酒井商会さんに行ってきましたよ！」なんて教えてくださったお客様もいらしてとても嬉しかったことを思い出します。

 

コロナ禍においては、こういったイベントが開催できなかったり、作家さんにも在廊いただけなかったりと
積極的なコミュニケーションをとることが難しいのがとても寂しい限り。

 

さつきさんとは連絡する度に、「次東京にいらしたら酒井商会さんに行きましょうね」とお話をしています。

 

天平窯

 

僕がさつきさんと初めてお会いしたのは、15年程前。
さつきさんのご主人、岡晋吾さんの作品を唐津まで買い付けに行った時のことです。

 

大好きな晋吾さんの作品を沢山見られるという期待。
ご本人の前で作品を選ぶのはちょっとビビるなあという緊張と不安。

 

様々な感情が入り混じる中、訪れたのが唐津の中でも小高い丘の上にある「天平窯（てんぴょうがま）」。

 

その佇まいと雰囲気に感動しながら、扉を開け中に入るのでした。

 

お弟子さんが迎えてくださり、通されたギャラリーで待っていると笑顔でいらした晋吾さんとさつきさん。

 

岡さつきさん

 

席につき、晋吾さんと打ち合わせをしていると
そっと珈琲とお菓子をさつきさんが出してくださいました。

 

長い時は3時間以上ギャラリーの隅々を物色してお宝を探すのですが、
さつきさんがいれてくださる美味しい珈琲やお茶にいつも癒されていました。

 

当時のさつきさんは子育てをされている最中で作陶は休止中。
天平窯の女将さんとして、客人を温かく迎えてくださるのでした。

 

夜になると晋吾さん、さつきさんに唐津の飲み屋街にお連れ頂いたり
酔っぱらいながら卓球をご一緒したりと家族のようにもてなしてくださる岡夫妻には本当に感謝しかありません。

 

さつきさんの象嵌

 

晋吾さんから「さつきも作陶を再開したんだよ。見てあげてよ」と声をかけて頂き、都内で展覧会を開催する時はなるべく顔を出すようにしていました。

 

作陶を再開した頃のさつきさんの作品は可愛らしい絵付けのものが多く、これは女性のお客様のハートを鷲づかみだろうなあと思っていました。

 

ある日、晋吾さんとさつきさんの二人展に伺った時に
「こ、これは！すごい！」と思う作品と出逢いました。

それがさつきさんの象嵌です。

 

僕は晋吾さんの安南がとても好きなのですが
晋吾さんの安南と出逢った時と同じくらいの衝撃を受けて、思わず「この象嵌かっこいいですね！」とさつきさんにお伝えすると、

晋吾さんが「そうなんだよ。この象嵌よかろう？」と嬉しそうにお話してくださいました。

さつきさんは遠慮がちに「そう？嬉しい。ありがとうっ！」とおっしゃってくださいました。

 

さつきさんの安南

 

女性らしい繊細で上品な絵付け。
可憐に咲く青い花。

さつきさんの安南も大好きです。

 

さつきさんの赤絵

 

一輪の赤い花が咲く華やかなコップ。
一口ビアグラスとしてもお勧めの大きさです。

 

色絵と象嵌

 

象嵌と控えめな色使いの絵付けの組み合わせが上品なお皿。
ずっと眺めていたくなる静かな作品です。

 

星降る夜に

 

色絵の杯。
この杯でさつきさんと乾杯したいなあ。

 

 

この情勢をうけて、さつきさんの在廊はかないませんでしたが
夏の夜を涼やかに演出する、うつわや一点物の作品をたくさん制作してくださいました。

 

お時間ございましたら是非、白金台雨晴までお立ち寄り頂ければ幸いです。
さつきさんの作品と共にみなさまのご来店をお待ち申し上げております。

 

 

photo_Yuka Yanazume @yuka_yanazume