山本忠正 × 雨晴 「やっぱり、伊賀土鍋」

山本忠正 雨晴
遥か昔、琵琶湖の底にあったという伊賀地方。

この地で採れる、耐熱性と保温性を兼ね備えた良質な陶土「伊賀土」だけでつくられる山本忠正さんの土鍋は、ゆっくりと食材に火が入り、素材の旨みを引き出してくれる優れもの。

季節の旬の食材も、冷蔵庫のありあわせの食材も。
なんでも入れられる「鍋料理」には、複雑な手間も時間も必要ありません。

ただ、料理をうんとおいしくしてくれる「土鍋」があれば、食卓はあたたかに、そして心と体は幸せになるものです。

また、伊賀土100%の山本さんの土鍋は、使うと底にヒビが入ることがありますが、それは鍋の成長が始まる合図。

ヒビが入ることでさらに頑丈になり、長く使い続けられる特別な道具へと、どんどん育っていくのです。

日に日に秋は深まり、寒さ厳しい冬ももうすぐそこ。
でも、山本さんの丈夫な土鍋があれば「あたたかくておいしい冬」がやってきます。

また、「オーブン料理」もできる山本さんの土鍋は、やがて訪れる春、そして夏と、季節を選ばずに日々のくらしに寄り添ってくれる素敵な道具。

冬支度はまだまだこれからという方も。
長く使い続けられる良い鍋をお探しの方も。

どうぞ、土鍋のご準備を。

山本忠正 雨晴 飴釉
飴釉土鍋

食卓にあたたかさが広がるような深い飴色に、ほっと心がほぐれる「飴釉土鍋」。
山本さんが昔からつくられている、定番のお色味です。

張っている縁は持ち上げやすく、正面がない意匠は大人数でぐるりと土鍋を囲むこともでき、食卓の会話も弾みます。

また、浅型で広がりのある形は「具材が見やすい」と山本さん。

食材が映える飴釉土鍋には、シンプルでいて味わい深い“水炊き”や“寄せ鍋”がぴったり。
お好みの具材、お好みの味で、さっぱりと召しあがってみては。

山本忠正 雨晴 鉄釉
鉄釉土鍋

食卓がぱっと明るくなるような、朗らかな色合い「鉄釉土鍋」。
こちらも、山本さんの作品では定番のお色味です。

秋、冬だけでなく、春先も鍋料理(水炊き)を召しあがることが多い山本さんのご家庭では、
「春ならセリ。冬は、レタスや水菜。すだちや柚子と合わせても」と、旬の食材をよく取り入れるそう。

鮮やかでいて、優しく柔らかなからし色には、“水炊き”や“柚子鍋”のほか、“豆乳鍋”や“白湯鍋”など色があるスープのお料理も映えますね。

山本忠正 雨晴 絵付け
絵付けの土鍋

山本さんの土鍋作品では初めてのラインナップとなる「絵付けの土鍋」。

「椿」や「牡丹」、「波千鳥」など、尾形乾山の作品をモチーフに山本さん自ら描いた絵付けの景色は、優美な佇まいと現代のくらしにも馴染むモダンさが調和した愛らしい作品です。

お料理が鮮やかに映える白色の土鍋は、“しゃぶしゃぶ”や“おでん“などの定番から、キムチ鍋”や“参鶏湯”、“トマト鍋”などレパートリーの想像も膨らみます。

色移りを防ぐため、最初のお鍋は“水炊き”など出汁の色が薄い鍋料理がおすすめです。

山本忠正 雨晴
ご飯鍋

お米にじっくりと火が入り、ふっくらと炊きあがるのが魅力の「ご飯鍋」。

やわらかな色味のアイボリーに、丸みのあるフォルムは、日々の食卓をそっと包み込んでくれるようなあたたかさを感じます。

ご飯を土鍋で炊くときは、「始めちょろちょろ中ぱっぱ」というフレーズがお馴染み。
ですが、山本さんの土鍋は「(コンロの口が小さければ)始めから強火でも大丈夫」とのこと。

「初めてお米を炊くときは、蓋をあけてよく観察を。ふきだしてきて、ご飯と水が同じくらいの高さになったくらいが炊きあがり。かたければお水を足してもらって。10~20分蒸らしたら出来上がりです」

2合を炊く場合は20分くらいが目安ですが、お米の鮮度や水加減、火力によって炊きあがりに差ができます。

初めて使うときは、横にタイマーを。
炊きあがるまでの時間を計り、2回目以降はこの時間を目安にしてみてくださいね。

山本忠正 雨晴 雪平鍋
雪平鍋

ころんとしたフォルムに、ぽってりとした持ち手が愛らしい「雪平鍋」。

昔はよくおかゆを炊いていた土鍋の一つですが、「雪平鍋で炊くおかゆは違う」と探しに来る方もいらっしゃるのだそう。

この「雪平鍋」を、一つひとつ、はじめから手作りで制作される方は今や山本さんだけになってしまいました。


寒さが増し、体調管理にもひときわ注意を払うこれからの季節は、梅がゆや卵がゆ、中華粥など、「雪平鍋」でつくるおかゆで体をじっくり温めて。

山本忠正 雨晴
オーブン料理もできる土鍋

「鍋料理」というと、ぐつぐつと火にかけて作る煮込み料理を思い浮かべるものですが、山本さんの土鍋は「オーブン料理」も実はおすすめ。

山本さんのおすすめは、お好みのお肉と野菜を鍋に入れ、オーブンに入れるだけというとても簡単なお手軽メニュー。

材料は、塊肉(鶏もも肉などがおすすめ)、じゃがいも(ほかお好きな野菜を適量)、油、あればお好みでハーブを用意。

塩をまぶし、常温で休ませたお肉を鍋に入れたら、下茹でしたじゃがいもや野菜、お好みのハーブを加え、オイルを塗って蓋をしたらオーブンへ。200度前後で10~15分ほど熱したら出来上がりです。

秋や冬だけでなく、春、夏と一年を通して愉しめる土鍋レシピ。
ぜひ、試してみてくださいね。



白金台、雨晴Online Shopにて開催しておりました、 山本忠正 × 雨晴 「やっぱり、伊賀土鍋」の展覧会は終了いたしましたが、一部作品は引き続き、店頭・Online Shopにてご利用いただけます。

来る冬、そして春から夏へと、移り変わるすべての季節に寄り添ってくれる山本さんの土鍋。
ぜひ日々のくらしにとりいれてみてはいかがでしょうか。


今夜は、鍋にしませんか?

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