A Solo Exhibition by Shouya Grigg
”In Search of Solitude”
―孤独を求めて―
北海道の原生林で20年以上を過ごしてきた写真家ショウヤ・グリッグは、自然との深い対話を追求してきました。
モノクロ写真を和紙にプリントし、木炭による手書きを細部を重ねることで、伝統的な水墨画を想起させながらも、独自の表現を確立。瞬間的な風景の記録ではなく、自然との静謐な対話から生まれる永続的な体験を映し出します。
130年の歴史を持つ京町家・KYO AMAHAREで展示される作品群は、都市の喧騒を離れ、深い孤独の中で見出される自然との調和を私たちに語りかけます。
2025年4月11日(金)-5月13日(火)
※会期中の休業日 毎週水曜日と4月24日(木)
KYO AMAHARE
京都府京都市中京区蛸薬師通柳馬場東入油屋町 127番地
075-256-3280
kyo@amahare.jp
ショウヤ・グリッグ―アーティスト・ステートメント
私は、見えないものを探している。
聞こえないものに耳を澄ませている。
そして、ずっとそこにありながら、
「自己」の雑音と執着によって覆い隠されていたものを、感じ取ろうとしている。
私の作品は、世界を「とらえる」ことではなく、
世界を「受け取る」ほどに静まることにある。
私はイメージを探すのではない。
むしろ、イメージが私を見つけてくれるのを待っている。
この静けさの中で、写真家は創り手ではなく、利き手――媒介者となる。
カメラは、存在のための器となる。
禅や詫び寂び、日本の美意識に影響を受け、
私は表層の奥にあるものを見つめている。
朽ちたものの中の本質、空の中の充実、沈黙の中の真実。
ひび割れ、霧、忘れられた空間――それらはすべて、
私たちがかつて知っていた何かへの招待である。
手彩色は、瞑想のような行為としてイメージに再び向き合うプロセスであり、
レンズだけではとらえられないもの――記憶、直感、息づかい――を浮かび上がらせる試みである。
その結果として生まれる作品は、ただの写真ではなく、
静けさの痕跡、視覚の中の「間」である。
私の作品が、立ち止まり、感じ、
ずっとここにあったものを思い出す――
そんな時間への招待状となればと願っている。